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KIST、従来の限界克服する電磁波遮蔽素材を開発

企業への技術移転を通じて早期商用化目指す


1996年7月17日、米国・ニューヨークのジョンFケネディ国際空港を出発しフランス・パリに向かっていたトランスワールド航空800便がロングアイランド付近の大西洋に墜落し乗客乗員230人全員が死亡する事故が発生した。事故原因として ▲構造的欠陥 ▲ミサイルまたは爆発物 ▲中央燃料タンクの燃料と空気混合物の爆発などの可能性が指摘された。だがその背景に電磁波干渉による機械的誤作動が原因ではないかという専門家らの見解が提起され議論を呼んだ。

電磁波干渉は電子部品で構成される電子製品にいくらでも発生し得る現象。各素子から不必要な電磁気信号または電気ノイズが発生して他の機器やシステムの作動に障害をもたらす。増加しつつある電子機器、携帯電話ノートパソコン、TVなど多くの装置同士の電磁波干渉現象による誤作動問題が深刻になっており、航空事故だけでなく電磁波干渉は自動車や軍用兵器の誤作動などの原因となる可能性もある。

電磁波は人間に有害であるという報告もある。世界保健機構(WHO)は電磁波を発がん原因物質と規定して電磁波への露出を最小化することを勧告している。KIST物質構造制御研究センターのク・ジョンミンセンター長はこうした電磁波干渉を防ぐために研究開発に着手した。ク博士は昨年既存の電磁波遮蔽の問題点を克服する高分子複合体「MXene」を開発した。電気伝導性が優れるだけでなく軽く安価で加工性も優れた電磁波遮蔽素材として注目を集めた。

電磁波遮蔽自体は新たな技術ではない。だが技術的に補完が必要だった。既存の電磁波遮蔽は銀、銅などの金属素材が主に使用されたが密度が高く製造コストが高く、重くて腐蝕しやすかった。また加工が難しいという短所があり次世代モバイル電子通信装置に使用するには限界があった。ク博士チームが開発した素材はこうした問題点を解決するものと期待される。電気伝導性がすぐれ軽く安価で、加工しやすい電磁波遮蔽材を作れるため。

ク博士チームは2Dナノ材料であるMXeneを含む分子複合体を利用して黒鉛の構造と類似した多層積層構造の電磁波遮蔽素材を開発した。MXeneはチタン(Ti)などの重金属原子と炭素(C)原子の二重元素から成るナノ物質で形状的には1nmの厚さと数μmの長さをもつ二次元的な板状構造をもつ2Dナノ材料。

既存のナノ材料に比べて製造工程が簡便で低コストでの生産が可能なだけでなく、表面に多数の親水基をもち溶媒へ分散しやすく高分子複合体の製造が容易。また優れた電気伝導性をもち電気伝導性が要求される多様なフィルム、コーティング製品への応用に有利。研究チームの開発した素材は薄くても優秀な電磁波遮蔽特性をもつことが確認された。

MXeneというナノ材料を電磁波遮蔽に用いるには高分子複合体を製造し必要とする形態に加工する過程が必要となる。しかしこの過程でMXeneの優れた特性が変質する恐れがある。ク博士チームはMXeneと相性のよいポリマーを探し出すことに成功した。

MXeneを電磁波遮蔽素材として活用する際にMXeneのもつ電気伝導性を維持する高分子複合体を作るための高分子には環境親和的で加工しやすいSodium Ailginateを利用した。研究チームは該当素材について企業への技術移転を通じて現在商用化を準備している。

本研究は米国Drexel UniversityのYury Gogotsi教授チームと共同で進められ、研究結果は世界的な学術誌『Science』電子版に掲載された。





[2017-05-11]

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